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長井小紫と長井古紫

 長井のあやめが咲き競う季節を迎えました。園内には紫や薄紫、淡い白色など艶やか色彩にあふれています。長井市あやめ公園の最大の特徴は「長井古種」が大切に保存され、その群生美が楽しまれるところにあります。現在の花菖蒲改良種と野生の野花菖蒲の中間に位置するのが長井古種。種類は34種、その内13種が長井市指定天然記念物になっています。ほかに、長井古種を親に持つ「長井系」が24種があります。

 

 近年、全国で長井古種の「長井小紫(ながいこむらさき)」と「長井古紫(ながいふるむらさき)」が混在している状況がでています。その違いを表してみましょう。

 

             長井古種「長井小紫」

 

             長井古種「長井古紫」

 

たいへん似ていますが、その違いを紹介します。

■特  徴 

長井小紫・・・・・瑠璃紫紺色で引き込まれそうなふかみのある色合いの小中輪。色の良さと風情が随一です。外花被(大きく下がっている部分)に黄色の目が細長く入っています。内花被(立ち上がっている小さな部分)は外花被と同色で花弁の中心に一本白い筋が入っています。花柱は白色で外側に外花弁と同色の覆輪が入っています。花期は早中生。

 

 

長井古紫・・・・・外花被は明るい青みを含む紫地に紫脈が入り、内花被は赤味のある紫で花柱は濃い紫。咲き始めがビロード紫のように輝き、次第に青みが薄らいできます。花期は早世。

 

 一番わかりやすい判別は、立ち上がっている「内花被」に白の筋が入っているかです。入っている花が「小紫」、入っていない花が「古紫」です。色も瑠璃色というくらい、角度を変えれば光によって不思議な色を見せます。これが「長井小紫」です。

 昭和46年に日本花菖蒲協会から「花菖蒲大図譜」(朝日新聞社刊)が発刊されました。この図譜に掲載されている「長井小紫」は、長井のあやめ公園で植栽育成されている「長井小紫」と一致します。

 今が見ごろです。どちらも咲いていますので、ぜひ長井のあやめ公園でご確認ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2014.06.24:[あやめ]
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