長井古写真物語 77 あやめ公園改造模型
「長井市文教の杜」に保管している古写真のコレクションを紹介します。
昭和30年代は、あやめ公園の誘客が進んだ半面、あやめの育成状況や施設等の土産物などに課題が見え始めた時代でもあります。ある方からあやめ公園改造案の提供がありました。
写真は、昭和34年6月に成田・管野久助氏から寄贈された「あやめ公園改造案模型」です。昭和33年11月3日に落成した新市役所庁舎のロビーに飾られました。この模型は、市が「観光都市長井の設計」という論文募集で同氏が応募入選、それを基礎に造られたものです。模型には説明として資料がありますが以下の内容です。
一、模型は水路・山・樹木・公園入口は現状のまま。
一、あやめ公園の重点を清流に置き、水とあやめの調和を主眼とした。
一、流線型の山と水に対して円型花壇・方型花壇を作り、変化と調和を。
一、中央噴水高台の北に見晴台、県一碑を頂上に。噴水も大柳下に移す。
一、円型花壇から見晴台に架けた橋は擬装橋。土の道路の両側をコンクリートで工事、橋にみせる。睡蓮池の水温を高くするためと散策の気分を良くする。
一、睡蓮池の像は、ニンフィアの女神を象徴いたもの。台高水面より八尺、像は等身大。
一、円型花壇の中心は電灯とし高さ三間。
一、野川堤の樹木はポプラ。
一、あやめ会館南の小山二つを含めて日本庭園にすると面白い。
などなど。今見ても面白いアイディアが詰まっています。当時のあやめ公園に対する市民の思いがひしひしと感じとることができます。
(トップ写真は、文教の杜コレクション「ガラス瓶」です)