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長井古写真物語 39 郡会議事堂

長井市文教の杜に保管されている古写真を紹介します。一枚の写真から情報を読み込みます。



 西置賜郡会議事堂は明治44年10月に竣工しました。この議事堂の前は、現在の税務署付近にあったとされ、町村制施行当時の建築であったため、老朽化と旧式の建物であったため運用上甚だ不便であったことから、郡長の発案で新築に至りました。
 明治44年2月8日、郡会が議事堂建築の建議書を郡長に提出、早急な建築を望む旨の内容でした。「明治44年度において、郡有苗圃地を敷地に充当すること。速やかに具体的成案を作り予算を郡会に附議すること。特別会計とすること。郡蓄積金と中学校設備積立金を繰り入れること。在来の議事堂は置賜織物同業組合に特売する提案をすること」。相当踏み込んだ内容は、郡長の発案を郡会が手続き上建議していることがわかります。
 議事堂は、西置賜には初めての本格的洋風二階造りで、2階に議事堂、1階はそれぞれ議長室をはじめ、最新の設計による各室が設けられました。
 その後、郡制の廃止とともに郡教育会の手に移り、看板は「西置賜郡教育会館」「西置賜郡教育会図書館」の二本立てとなり西置賜郡の文教の中枢として多彩な活動の場としての役割を担いました。長井市が誕生すると、建物を長井市が買い取り、「長井市中央公民館」「長井市立図書館」となり、戦後の文化活動の拠点になりました。 昭和48年7月、建物を解体、65年の幕を閉じました。
 もう一枚の写真を。



 この写真は郡役所と一緒に写っているものです。右側に明治44年の新しい郡会議事堂、中央には明治11年築の郡役所、そして、その奥に「織物事務所」が少し映っています。建議書のとおりに実行されたとすると、旧郡会議事堂の建物ということになりますね。大正3年の長井の地図には「織物事務所」と記載があります。


(トップ写真は文教の杜コレクションのガラス瓶です)
2014.03.03:[歴史的建造物]
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